ロレックススポーツモデルの回転ベゼルには大きく分けて2種類あります。
一つ目はサブマリーナやシードゥエラーに使用されているダイバーズ専用回転ベゼルとGMTマスターに使用される24時間表示回転ベゼルとなります。
それぞれの回転ベゼルの役割と使い方について説明していきます。
ダイバーズ専用回転ベゼルの役割
ダイバーズ専用回転ベゼルは言葉の通りダイビング(潜水)の際に用いることができ、その役割は水中での経過時間の計測となります。
ダイビングをする際には、水中で呼吸ができないことはもちろん、陸上では考えられないような水圧もかかり、潜水時間の管理は極めて重要となります。
逆回転防止機能とは
もともとダイバーズ専用回転ベゼルは右回り、左回りの両方方向に回転させることができましたが、1988年頃から逆回転防止ベゼルが搭載されるようになりました。
時計回りにしか回転しないのは安全のため
もし潜水中に誤って時計回りに進めてしまったとしても、想定する潜水時間が短くなるだけですが、逆回転させてしまうと「まだ時間が経過していない」と勘違いしてしまい、想定する潜水時間を超えてしまいかねません。こういった誤作動を防ぐために、現代のダイバーズウォッチの多くに逆回転防止機能が標準的に備わっています。
ダイバーズ専用回転ベゼルの使用方法
分針の位置にベゼルの頂点の▼を合わせます。
すると、分針が指すメモリが水中での経過時間、ということがわかります。
引用元:宝石広場 サブマリーナの使い方
24時間表示回転ベゼルの役割
GMTマスターに搭載されている24時間表示回転ベゼルは、2タイムゾーン(異なる2ヶ所の時間)を同時に示すためのもので、航空会社からの依頼を受け開発されました。
24時間表示回転ベゼルとGMT針どちらも欠けてはならない
GMTマスターのオマージュ品にも24時間表示回転ベゼルが備わっているものを見かけますが、24時間表示回転ベゼルだけでは2タイムゾーンを示すことはできません。GMT針という副時針がついていないと2つ目の時刻を示すことができないのです。
24時間表示回転ベゼルの使用方法
24時間表示回転ベゼルの使用方法を説明するにはGMT針がどのような動きをするのかという点を説明する必要があります。
ベゼルの頂点の▼が12時の位置にある時、GMT針は現在時刻(写真の場合16時)を指します。この状態が24時間表示回転ベゼルとGMT針のニュートラルな状態とお考えください。
時刻を合わせるために短針が動けばGMT針も連動して動きます。
逆に短針だけを動かしたり、GMT針だけを動かしたりすることはできません。
短針が一時間進むのに対し、GMT針はベゼルの目盛り一つ分進みます。
写真の例で行きますと、短針が5時の位置にきたとき、GMT針は「16」の次の「●(17)」に進みます。短針が6時の位置にきたとき、GMT針は「●(17)」の次の「18」に進みます。
例、ニューヨークの時刻に合わせる場合
それでは次は実際に異なる地域の時刻にベゼルを動かしていきます。
例えばニューヨークの時刻に合わせる場合、
時差が【-14時間】なので、【現在時刻から14引いたベゼルの目盛り】と【GMT針の位置】をベゼルを回転させて合わせます。
【現在時刻が16時】なら合わせたいベゼルの目盛りは16-14=【2】なので、【2】を【GMT針の位置】に合わせます。
これで2タイムゾーンを同時に示すことができました。
2色のベゼルには意味があります
GMTマスターのベゼルには
- 赤/青
- 黒
- 青/黒
等のバリエーションがございます。
実はこの2色分けはちゃんと意味があり、GMT針が指す時間が昼間なのか夜間なのか一目見てわかるようになっています。
例えば、青/赤のベゼルの場合、青は夜間、赤は昼間となります。
こうすることで1週24時間といった昼夜の見づらさを解消させています。